耳、鼻、のどのガンについて 長崎市のコムロ耳鼻咽喉科

頭頚部のガンについて

ガンは全身にできる可能性がある病気です。
耳鼻咽喉科が専門としている耳、鼻、喉は感覚や発声を司る器官で、脳や目にも近いことからこれらの部分にガンができると感覚を失ったり、声を出せなくなったり、時には命が脅かされることもあります。

ガンができると重大な影響がでる耳、鼻、喉ですが、内臓とは異なり内視鏡などを用いて直接確認することができます。
局所の症状が出てすぐに確認をすることで早期発見できれば、感覚や発声機能を残すことも期待できますので、違和感がある場合は早期に耳鼻咽喉科を受診して異常が無いか医師の判断を受けるようにしましょう。

当院の診察の特徴

当院は咽喉頭ガンの治療に豊富な経験を持つ院長が腫瘍の早期発見に効果的なNBI内視鏡や、CTを用いて診療を行っています。

ガンは早期発見、早期治療が重要な病気です。
特に喉は発声や嚥下に関わるため喉の違和感や、飲み込みづらさ、声が上手く出ないなど喉の症状がある場合は早めにお越しください。

診察の上ガンが発見された場合や疑わしい場合は、専門の病院を紹介いたします。

咽頭ガンとは

咽頭とは図の中の緑で囲っている部分のことです。
この部分にできるガンを咽頭ガンと言います。

咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれます。
それぞれ司る機能が異なるため、どの部位にガンができるかで症状が異なります。

上咽頭ガン

上咽頭は鼻の奥の部分で、口蓋垂(喉ちんこ)の裏側にあたる部分です。
上咽頭は耳に近いため、ここにガンができると

耳閉感(耳がつまった感じ)
難治性の中耳炎

など耳に症状が出ることがあります。
また、鼻の奥のため

鼻出血 ・血痰
鼻閉(鼻づまり)

が出ることもあります。
またガンの症状が出る前に首のリンパ節が腫れてくる事もあります。

中咽頭ガン

中咽頭は咽頭の中間にあたる部分で、扁桃腺や舌の付け根や口の奥の壁あたりが中咽頭となります。
この部分にガンができると

喉の違和感や痛み
口の開けづらさ
舌の動かしづらさ
血液交じりの痰

などの症状が出ます。

下咽頭ガン

下咽頭はのどの一番下の部分で、食道へとつながる場所で、気道につながる喉頭に隣接した部分です。
下咽頭にガンができると

喉の違和感
血が混ざった痰
声がれ

などがおこります。
また、症状が進行すると

嚥下障害(飲食物の飲み込みづらさ)
呼吸困難

などが起こる場合もあります。

喉頭ガン

喉頭は気管と咽頭を繋ぐ部分のことで、いわゆるのどぼとけの部分です。この部分は音声を出す器官の声帯があり、飲食物が気道に入らないようにする喉頭蓋という部分も喉頭に含まれます。
図で言うと青色で囲まれた部分です。

喉頭ガンはできる場所によって症状が少し変わりますが、声門にできた場合は、早い時期から声がれの症状が現れます。
声の嗄れ方は患者さんによって様々ですが、低くがらがらした声や、ざらざらした声、かすれ声のようにいつもとは違った声になります。
ガンが進行すると息苦しさも感じるようになります。

声門の上部にガンができた場合は違和感や飲食物を飲み込む時の痛みがあります。
ガンが声帯にまで進行すると声かすれの症状がでます。

声門の下部にできるガンは進行するまで自覚症状が無いことが多く、発見が遅くなりがちです。

口腔ガン

口腔は舌、歯茎、口蓋などを含む部位です。声帯から出た構音を言葉へと変換したり、咀嚼や嚥下に関して重要な役割を果たしたりする部位です。
口腔ガンというとマスコミなどの影響で口腔外科(歯医者さん)のイメージがありますが、耳鼻咽喉科の取り扱う領域です。手術に際しては頸部郭清(首のリンパ節の掃除)や口の形態や機能を再建する手技、手術後の全身管理など医師の免許が必要です。

口腔ガンの症状

初期の症状としては口腔内の違和感、痛み、食事中のしみる感じなどで、進行とともに出血や言葉が不明瞭になる構音障害、飲み込みにくい嚥下障害などが出現してきます。口腔内の症状がないのにあごの下のリンパ節が腫れてくる場合もあります。

鼻副鼻腔ガン

副鼻腔は図に示すように頬っぺた、目の内側、額の奥に骨で囲まれた部屋があり、鼻腔とつながっています。
また、頭の中心付近にも蝶形骨洞という副鼻腔があります。副鼻腔は眼窩(眼球が入っているくぼみ)や頭蓋底に近いために目の症状や頭の中の症状、また顔貌などに大きな影響を与えることとなります。
鼻腔は呼吸に関連して加湿、空気清浄、保湿の役割を担い、嗅覚にも大きくかかわっています。

したがって鼻腔内にガンができると鼻閉、呼吸苦、嗅覚低下などに影響が出ます。
鼻腔内は内視鏡で確認することができますが、副鼻腔は直接観察することがしにくいために、レントゲンなどの検査が必要になります。
レントゲンは立体の構造を平面に映してみるために細かい部位や組織が重なった場所は判断できません。
CTを使うと骨の破壊や単純レントゲンでは影になってわかりにくい場所も細かくチェックすることができますので、非常に有用な検査となります。

鼻副鼻腔ガンの症状

鼻腔内のガンでは鼻閉、鼻出血、痛みなどが出現しやすく、くさい嫌な臭いがすることもあります。
一方副鼻腔のガンでは症状が出にくく、進行してから鼻出血や鼻閉、目の位置がずれてきて物が二重に見える(複視)などの症状が出現してきます。
頻回に汚い鼻出血が見られたり、鼻閉が改善しない場合は当院を受診してみてください。

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