良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症はめまいの中では最も多い病気と言われています。めまい症状の内60%がこの病気によるめまいというデータもあります。
名前に良性とあるようにこの病気は命に関わるようなものでは無く、リハビリ等で改善するのが特徴です。
良性発作性頭位めまい症の症状
この病気の特徴は、ある特定の頭位をした時にめまいが出現して、症状が10秒~数分ほど持続した後に自然に治まることです。その後頭を動かすと再びめまいが繰り返し出現します。
めまいの特徴としては目が回るような感じ、ふわふわする感じなどの感覚を伴うことが多いようです。
吐き気が伴うこともあります。
朝布団から起き上がった時、夜布団に入って横になる時、急に振り返った時など特定の行動をした際にめまいがおきることも特徴です。
良性発作性頭位めまい症の原因
耳の奥の内耳という部分にある平衡機能を司る三半規管に耳石が入ることが原因です。
三半規管に耳石が入ると三半規管を満たしているリンパ液に通常とは異なる流れが生じます。
その結果、身体は動いていないのに「動いている」という電気信号が脳に送られめまいになります。
なぜ耳石が三半規管に入ってしまうのかは、まだ明確にはわかっていません。
良性発作性頭位めまい症の治療
この病気の治療はめまい体操が有効です。エプリー法やブラントダロフ法などのリハビリがあります。リハビリによってめまいの原因となる三半規管内の耳石を外に出すことで約90%の患者さんで症状が無くなります。
一般的に行われるエプリー法(右耳が悪い場合)を説明します。
1.座った状態で顔を右45度に向けます。
2.45度右を向いたまま寝ます。(肩枕があった方がしやすいでしょう)
このままの姿勢でゆっくり30秒数えます。
3.ゆっくり左45度に頭を向けます。
そのままの姿勢でゆっくり30秒数えます。
4.左に寝返りをうち顔は地面に向けます。
そのままの姿勢で30秒数えます。
5.すっと起き上がり座ります。
6.足を延ばして座り
同時に顔を下に向け
ゆっくり100秒数えます。
この1連のリハビリ運動を間隔を空けて1日3回程度行ってください。
なお、首や腰が悪い方は無理をしないでください。