アレルギー性鼻炎
風邪でもないのにくしゃみ、鼻水、鼻づまりが続く場合はアレルギー性鼻炎の可能性があります。
アレルギー性鼻炎は通年性のものと、季節性のものにわかれます。
今や日本国民の5人に1人がかかると言われている花粉症も医学的には季節性のアレルギー性鼻炎です。
花粉の飛散時期以外にも1年を通して鼻水や鼻づまり、くしゃみにお困りの方は通年性のアレルギー性鼻炎の可能性があります。
アレルギー性鼻炎の症状
アレルギー性鼻炎の症状は、1日に何度もでるくしゃみや、鼻水、鼻づまりが特徴的です。
どの症状が強くでるかは個人差があります。
アレルギー性鼻炎の診断
まず、鼻水を少量採取し、特殊な染色(エオジノステイン)を行って、顕微鏡で観察します。アレルギー性鼻炎の場合は好酸球と言われる細胞が多数出現します。一方鼻かぜでは好酸球は増えません。副鼻腔炎の場合は好中球が増えますので、それぞれ鑑別ができます。アレルギーの原因を調べる場合は、少量血液を指先から採取して決められた8種類を調べる方法や5㏄程度血液を採取して、疑われるアレルギー物質を詳しく調べる方法があります。
アレルギー性鼻炎の治療
アレルギー性鼻炎の治療に大切なことは原因を特定することです。
アレルギー性鼻炎は、鼻の中に侵入してきた物質を異物として体外に排出しようとして起こる症状ですので、どのような物質(アレルゲン)に反応するのかを特定し、普段の生活においてもアレルゲンを排除することでずいぶんと生活しやすくなります。
クリニックでの治療は、
・お薬の処方。
・ネブライザーという薬剤を霧状に噴霧する機械を使用し、口や鼻から炎症を抑えるお薬の吸入。
・舌下免疫療法
などがあります。
お薬も服用していただくものや、点鼻薬などさまざまなものがありますので、当院では患者さんの症状や生活スタイルに合わせた最適なお薬を処方致します。
日常生活での注意点
アレルギーの原因を特定した後は、生活環境からアレルギーの原因物質を排除することが大切です。
多くの通年性アレルギー性鼻炎の原因となるハウスダストは、こまめに掃除をすると効果的です。
掃除をする際に最初に掃除機をかけてしまうと、ハウスダストを巻き上げてしまうので、水拭きができるフローリングモップなどを使用してから掃除機をかけるとより効果的です。
点鼻薬の使い方について
市販の点鼻薬には鼻の通りをよくするために血管収縮剤が含まれている場合が多いです。
そのため即効性があり、鼻づまりの解消に効果的ですが、点鼻薬を使い過ぎると薬剤性鼻炎になって、かえって鼻閉が増悪してしまう場合がありますので、注意が必要です。
薬剤性鼻炎になると、点鼻薬を使用しても鼻の通りが改善されず、さらに点鼻薬を使ってしまうという負のスパイラルに入ります。
1日に3~4回以上、1か月以上継続して使用している場合は、一度医療機関を受診されることをお勧めします。
アレルギー性鼻炎の成因
アレルギー性鼻炎は体の防御反応が原因です。
身の回りにあるホコリや、花粉、ダニの死骸、ペットのフケや毛などの物質を体が異物を判断すると体外に排除しようとしてアレルギー症状を引き起こします。
アレルゲンは1種類とは限りませんし、今までアレルゲンではなかったものが突然アレルゲンとなることもあります。
ですので、アレルギー性鼻炎と診断された場合は、アレルゲンの特定と生活環境からアレルゲンを排除することが大切です。