インフルエンザとは
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで発症する疾患で、年によって差はありますが、長崎では11月頃から流行が始まります。
数年に渡って全世界的に流行した新型コロナウイルス感染症はコロナウイルスによる感染症で、全く別の病気であり、同時に罹患することもあります。
インフルエンザの出席停止
インフルエンザは学校保健安全法で、「発熱後5日を経過し、かつ解熱後2日間までは出席を停止とする。さらに幼児については発症後5日を経過し、かつ解熱後3日間」と定められています。
解熱後、2日(幼児は3日)を経過するまで登校不可
※症状が出た日(発症日)は数えず、翌日を1日と数えます
インフルエンザの症状
インフルエンザの代表的な症状としては以下のようなものがあります。
発熱(38度を超える高熱)、頭痛、咳、のどの痛み、鼻水、倦怠感、関節痛、筋肉痛、など
風邪との違いとしては、インフルエンザの方が症状が重くなることが多く、急激に症状が現れることもインフルエンザの特徴です。
高齢者、乳幼児、妊婦、呼吸器や心臓に慢性的な疾患を持つ方、糖尿病や腎臓病を持つ方はインフルエンザが重症化しやすいとされていますので、注意が必要です。
インフルエンザの治療
- 治療
インフルエンザウイルスに効果がある抗ウイルス薬を服用します。
ウイルスが増殖するまでの発症後48時間以内に服用しなければいけないため、インフルエンザ流行期に風邪のような症状があれば早めに医療機関を受診すると良いでしょう。
抗ウイルス薬としては、タミフルやゾフルーザのような内服薬と、リレンザやイナビルのような吸入薬が用いられます。内服が難しい方などに点滴の抗インフルエンザ薬もあります。
当院は患者様の状態や希望に応じて内服薬か吸入薬を処方しています。
- ワクチン
インフルエンザの罹患リスクを低下させたり、罹患した際の重症化リスクを低下させる効果が期待できます。高齢者や幼小児(生後6か月~)、基礎疾患がある方など重症化しやすい方は接種を検討いただくと良いでしょう。
妊娠中は免疫力が低下していることや、罹患した場合に切迫早産のリスクが高まることから、妊婦の方も接種が推奨されています。
・スプレータイプのインフルエンザワクチン(フルミスト)について
スプレータイプのワクチン(フルミスト)は生ワクチン(弱毒化したウイルスを接種するタイプのワクチン)のため、接種してからしばらくは、鼻の中に弱毒化したウイルスが存在します。したがってワクチンウイルスが家族などにうつる可能性があります。
妊娠している方が接種できないことや、ワクチン接種後 1〜2 週間は、重度の免疫不全者との密接な関係を可能な限り避けることが添付文書に記載されています。
海外の臨床試験において、2歳未満での入院及び喘鳴のリスクが増大したことが報告されており、接種の適応がありません。
これらのことから、妊娠を考えている方や、既に妊娠されている方、2歳未満のお子さん、免疫不全の方がいるご家庭では、フルミストは接種しない方が良いでしょう。
インフルエンザにかかった時の注意点
インフルエンザに罹患した際は以下の点に注意しましょう
・早期に医療機関を受診し、医師の指示に従って安静に過ごす
・マスクをつけ、飛沫の飛散を押さえる
・できるだけ外出を避け、外出の際も人混みを避ける
・できるだけ水分を摂取する
・以下のような、呼吸や意識の異常があった場合は速やかに医療機関を受診する
呼吸困難(安静時に息が切れるなど)、早い呼吸(1分間に60回以上)、意味不明な言動を繰り返す、ぐったりして呼びかけに応じない、痙攣を起こす